【特別寄稿】どうする?子育ての環境選び。今『公立中高一貫校』が注目される理由
子どもを育てる上で、切っても切りはせないのが「学校」です。
大切な時期を過ごす学校だからこそ、子どもにどのような教育をすべきか、色々な学校を検討しますよね。
ココハグでは、心の成長をテーマにしていますが、学校環境も子どもの心に大きな影響があるもの。今日は大切な学校選びの中で、年々注目を浴びている「公立中高一貫校」について「公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント(著者 佐藤智/出版社・ディスカヴァー21)」の著者である佐藤智さんに教えてもらいました。
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学校といえば、大きく分ければ私立と公立がありますが、無数にある学校ごとに、教育方針や教育内容などのカラーも違い簡単に選択できるものではないですよね。
さまざまな学校がある中で、実は今、大変人気と注目を集めている学校があります。それが、「公立中高一貫校」です。初めてこの名前を聞いた方もいらっしゃるかもしれません。「公立中高一貫校」とは、その名の通り公立で、中高一貫教育を行う学校のこと(※)です。
(※どの学校も同じように中1から入学して高3で卒業するわけではありません。詳細は後述)
どのぐらい人気かというと・・・
公立中高一貫校の中には、私立の御三家(麻布、開成、武蔵)よりも合格が難しい学校もあります。御三家の倍率が約3倍前後であるのに比べ、中には6倍~11倍にもなる学校もあるのです。
(例 東京都立白鷗高等学校・附属中学校 倍率7.5倍、宮城県仙台二華中学校・高等学校 倍率6.3倍、千葉県立千葉中学校・高等学校 倍率 倍率11.4倍などなど)
公立中高一貫校は首都圏・地方部問わず人気が高いのです。
▼なぜ人気?公立中高一貫校の魅力
なぜ、公立中高一貫校はこんなにも注目が集まっているのでしょう?実は、人気が高まっている理由は、大きく二つあります。
それは「学費の安さ」、「大学進学実績の高さ」です。
公立中高一貫校は、私立よりも安い公立の学費の上、文部科学省が私立に負けない学力をつけることに尽力しているので、「安い学費で高い学力が得られる学校」だと注目されるようになったのです。
親心としては、お金がかからず、いい大学に入学させてくれる大学は、「コスパの良い学校」ということになるのでしょう。
しかし、公立中高一貫校は平成11年に生まれた新しい学校制度なだけに、知られていない実情がたくさんあります。もし「うちの子どもに公立中高一貫校どうかしら?」と考え始めたら、ファーストステップとして<3つのチェックポイント>を確認してみてください。
【知っておきたい、公立中高一貫校3つのチェックポイント】
<その1>どの種類の公立中高一貫校か確認しよう
実は公立中高一貫校には、「中等教育学校」、「併設型」、「連携型」の3種類があります。「中等教育学校」は、6年間持ち上がりで、高校から入学してくる生徒がいません。併設型は、高校からの入学生がいます。連携型は、中学校と高校がゆるやかに連携をとる制度なので、高校に上がる際に選抜や推薦などがあり、そのまま持ち上がることはありません。
どの学校でも中高一貫教育を受けられると思っていたら、間違いだったというのでは取り返しがつきません。また、思春期の子どもたちにとって、高校から新しい顔ぶれが入ってくるのとこないのは大違い。本人の希望も確認することが必要でしょう。
<その2>学校の校風・建学の精神をチェック!
一言で公立中高一貫校といっても行われている教育は千差万別。
どんな教育に力を入れているのかは、ホームページなどに書かれている「建学の精神」でチェックできます。「グローバル人材の育成」と掲げていれば国際理解や英語教育に力を入れているだろうなどと考えることができるのです。
この建学の精神や教育方針が、授業や行事すべての学校活動の柱となっているので要チェックです!
<その3>適正検査から読み取れるメッセージを確認しよう
適正検査というのは、公立中高一貫校の入試のこと。ここでは、算数、国語などの教科区分の知識を問うのではなく、教科横断的な思考力や表現力などを問う問題が出されます。
そして、学校がこだわり抜いて作っているこの入試問題には、「こんな子に入学してきてほしい」「こんな力を身につけてほしい」という学校側からのメッセージが込められています。
そのため、適正検査自体が、我が子がこの学校に合っているかどうかを判断するヒントになるのです。
以上、3つのポイントを踏まえた上で、学力育成や学校の体制、行事や部活の充実、そして設備などに目を向けていくとよいでしょう。
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いかがでしたでしょう?新しい学校の形だけに期待も高まりますよね。
さらに詳しく知りたい方は、「公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント」(佐藤智/出版社・ディスカヴァー21)をご覧ください! 子どもと学校のミスマッチを防ぐためにはどうしたらいいのか、おさえておくべきポイントを紹介されています。
ライティング:教育ライター 佐藤智
編集:ココハグ編集部
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