男の子に「ダメ」と言えば言うほど、言うことを聞かなくなるワケ

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先日のある日のこと。

妻の出張先の近くにある児童館で息子の面倒をみていた時(僕の息子は1才3ヶ月で、まだ授乳中のため、妻が仕事で出張のときは同行して僕が面倒を見ている)、近くにいるママと4歳ぐらいの息子さんが遊んでいました。

ところが、5秒に1回ぐらいママが怒っています。

 

子どもがカップを積み上げるおもちゃで遊び始めると、

「○○、おもちゃを積み上げすぎちゃダメ!」。

 

僕の息子がその子のことを近くで軽く眺めていると、

「○○、おもちゃを他の子にも貸してあげなさい!」

 

ママが怒るのでカップのおもちゃを置いて、今度はボールをレールで転がすおもちゃで遊び始めると

「○○、ボールを入れすぎないで!」

と怒っている。

もの凄く雑におもちゃを扱っているかというと、そうでもない。

 

うーん、こんなに怒られたら子どもの方も、だんだんイライラしてしまうんじゃないかな?と心配して見ていると、

どんどんおもちゃの扱いが荒くなって、ついには蹴り初めてしまいました。

 

当然、そんなことをし始めると、

「○○!おもちゃは蹴ってはダメ!!!」と、一段と強く怒られてしまい・・・。

そして、その子は別の部屋に走り去ってしまいました。

 

このママはきっと、子育てに対して凄く一生懸命だったのでしょう。

「お行儀良く」、「迷惑をかけてはいけない」といったことをしっかり教えたいと思っていたのかもしれません。

その結果、細かいことが気になってついつい言ってしまう。

 

子どもは子どもで自由に遊べない苛立ちがつのって、ママの期待と逆の行動をとってしまう。

一生懸命だからこそ、悪循環に陥ってしまう。そんな場面でした。

 

■あなたも、つい「ダメ!」を口ぐせにしていませんか?

「男の子の一生を決める0歳から6歳までの育て方」(中経の文庫 竹内エリカ著)では、

『ここ10年の間、保育園や幼稚園の先生方からよく受ける相談に、「最近の子はやる気がない」「情緒が不安定だ」というものがあります。やる気のない男の子が増えているのです。』

と言われています。

 

特に1歳~2歳を中心とした間の時期に、口ぐせのように「ダメ!」を連発していると、男の子の好奇心や探求心が弱くなってしまうと言われています。

たとえば、これぐらいの子どもは、食べ物を振り回す、ティッシュを引っ張りだす、コップに手をいれる、トイレットペーパーを芯になるまで回転させる、といった、大人にすると無駄な行為(いや、むしろ迷惑行為)を行いますが、実は子どもにとって1つ1つが大事な実験です。

 

子どもにとっては、1つ1つのものが存在する意味が謎であり、好奇心の対象です。

「この物体は、振ったらどうなるのだ?」と食べ物について研究したり、「この不思議なものは、触ると変な感じだぞ」と、水のコップに手を突っ込んだりするのです。

 

■過剰な「ダメ!」は、好奇心をつぶしてしかねない

こういった好奇心の行為に、「ダメ!」といいつづけると、子どもを守りたい、教育したいという親心とはうらはらに、子どもは行為そのものよりも、「好奇心を持つ」ことそのものが否定されていると感じてしまいます。

「あれをやってもダメ。これをやってもダメ。そうか、好奇心があるから怒られるのか。」となってしまう。

 

こうして大きくなった子どもは、一見大人のいうことをよく聞く素直な良い子に見えますが、その半面、好奇心という心のエンジンを失った積極性に欠ける大人へとなってしまう。

しかし、そうはいっても迷惑行為を続けられると、親の時間がいくらあっても足りませんし、本当に危ないこともあるでしょう。

 

では、どうしたら良いか、超カンタンな方法をご紹介します。

 

■「ダメ!」から、「痛いよ!」「熱いよ!」に言い換えよう

 

先ほどと同じ書籍、「男の子の一生を決める0歳から6歳までの育て方」(中経の文庫 竹内エリカ著)では次のような方法が紹介されています。

釘や画びょうといった危ないものであっても、

『触らせないよりも、少し触ってみて痛い思いをした方が、次からは子ども自身の判断でさわらなくなるものです。』

『「ほら、ちくっとしたでしょう?痛かった?」と言葉を添えてあげれば、なおいいですね。』

とのこと。禁止よりも、自分で経験することがやる気や好奇心を損なわさせない方法なのですね。

 

ちなみに、我が家でも効果がありました。

良く我が家では作りおきのパンケーキを電子レンジで温めてたべさせてあげるのですが、超アツアツのものでも息子くんは必死に欲しがります。

以前は、ダメ!といっていたのですが、いくらダメといってもハイチェアから必死に取ろうとしてきて、落下しそうで非常に危ない。

そこで、いっその事触らせてしまうほうが危なくないなと思い、「熱いよ」といって触ってもらいました。

そうすると、今まで必死に取ろうとしていたところから一転。一度触ったことで「アチチッ」となって、冷えるのを待つようになりました。

 

よく考えてみたら、大人も同じですね。

「触るな!」といわれると、触ったらどうなるんだろうと気になるし、

「のぞくな!」といわれると、逆に何が入っているか気になりますよね。

 

大人でも理由が分からないまま禁止されても、逆に気になってしまう。

小さなこどもで理由を説明しても分からない場合は、プチ体験(ケガなどをしない範囲で)をすることで学べるということなんでしょう。

なるべく体験させてあげることを心がけなくては。

 

<参照>

「男の子の一生を決める0歳から6歳までの育て方」(中経の文庫 竹内エリカ著)

 

子育てライター 秋田英明

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